昨日のNHKニュース9でも取り上げられていましたが、最近、美容外科の違反広告が目につきます。特にSNSでは、やりたい放題で、野放し状態になっています。
実は、医療では、広告規制があります。これは、医療は社会に与える影響が大きいので、国が一定のガイドラインを示しているわけです。そうしないと、例えば、本当は医療界では標準的治療ではないのに、この薬が癌に一番効く、とか、この病気にはこの薬が一番、など勝手に宣伝してしまうと、誤認させてしまったり、社会不安をあおってしまいかねないので、規制を行っているわけです。
一方、美容の世界では、そもそも標準的な治療基準があいまいということがあったり、自費(保険外)の診療なので、国も規制するということは、してこなかった背景があります。
しかし、近年、美容治療が一般に普及し、美容に関するトラブルも増えたため、美容広告の規制に乗り出した訳です。
医療の広告で、本来許されているのは、非常に限定的です。クリニックの情報(名称、住所や診療を行っている医師の名前など)、治療の内容(どの様な治療を行っているか)、等ですが、この治療内容の説明・表現法にも規制があります。
まず、最高とか、一番などの言葉は使用してはいけないことになっています。最高の治療、最高レベルの技術、等といっても、他と比較のしようがなく、言った者勝ちみたいになり、誤解を与えるからです。また治療内容についても、合併症のリスクについて明示すること、原則、ビフォー、アフターの写真は載せないこと(全ての方がイメージ写真通りにならないから)など、全て、皆さんに誤認させないよう、誤解を与えないように、となっています。
このように規制はあるのですが、実質的な罰則はないため、やりたい放題というのが現状です。
(次回に続く)