今回、第48回日本美容外科学会総会(JSAPS)のイブニングセミナーで、フォトフェイシャル(IPL/光治療)について講演させて頂きました。
当院では、2000年にVascuLight(ESC/シャープラン社=現ルミナスビー社)という光治療器を導入しました。日本で3台目、西日本で初めての導入となりました。
この前年頃に、Dr Bitterらが、この機器を用いた光治療法=フォトフェイシャルを考案し、当院でも間もなくVascuLightを用いた光治療・フォトフェイシャルを開始しました。西日本でフォトフェイシャルを開始したのは、当院が初めてで、まだ、SNSがない時代でしたが、口コミや雑誌などを通じて、急速に広まり、非常に遠方から来院された方もおられました。
VascuLightは、非常に優秀な機器で、基本的な光治療の原理(カットオフフィルターと呼ばれる短波長側の波長をカットして、レーザー程破壊力はないが、レーザーのような反応をさせる)は、今と変わらず、シミ治療から肌の赤み治療、肌のキメ、等、ダウンタイムが少なく美肌治療を行えました(おもしろいことに、OSは専用では無くWindows!!上で動いていました)。ただ、欠点も有り、クーリングデバイスが搭載されていないためヤケドの症状が出たり、照射するのに時間がかかったり、などの問題点もありました。
その後、ルミナスビー社もIPL機器を徐々にバージョンアップし、現在、当院でも導入しているStellar(ステラ) M22が最新のIPL機器となります。
今回、学会では、2000年からフォトフェイシャルを開始して、25年間の長期間にわたるIPL治療経験を中心にお話しさせて頂きました。フォトフェイシャル・光治療は、長期間にわたって施術を行っても安全で、また長期間行う事により、肌が綺麗になっていきます。色むらが少なり、肌のキメが整っていきます。
最近、レーザーでのトーニングをはじめとする、美肌治療がありますが、レーザーの場合、長期間行う事で、メラニン細胞が破壊され、色素脱失(色が白く抜けてしまう)を起こすリスクがあります。色素脱失は現在の所、治療法が確立されておらず、一旦生じると、治療が困難になります。
一方、フォトフェイシャルは、色素脱失を起こすことは考えにくく、長期間にわたって施術を行っても問題がないと思います(最も設定や施術方法によっては合併症を生じるリスクはあります)。
長期にわたって行うアンチエイジング対策として、やはりフォトフェイシャルがいいのではと思っています。