今回は、シミ治療について述べたいと思います。
当院で多い相談内容は、アンチエイジングに関わるものですが、その中で最も多いのが、シミについてです。
実際、シミがあるのか、ないのか、だけでも人の印象はずいぶん変わります。若い方でも、シミがあると老けて見えますし、逆にシミがないと若い印象になります。ですから、何を差し置いてもシミが最も気になる、まず相談したい、となるのは、ある意味当たり前のことかもしれません。
さて、シミの相談の際、「何が一番よい治療ですか?」「~という新しい治療がよいと聞いたのですが」と尋ねられることがあります。
そのような時、答えに困ってしまいます。「絶対的によい方法というのは未だ存在しない」からです。
この方法・機器で全てのシミは解決します、という方法があるなら、簡単で楽です。日本全国どこの病院も、その方法を導入して、世の中から全てのシミはなくなるはずです。でも、現実には、そのようなことはありませんし、様々な治療法が、今でも行われています。
それは、「シミ」と一言で言っても、実は、様々な種類があり、その種類によって、治療方法を変える必要があるからで、全てに通用するシミの治療法というのは、無いのです。また、それぞれの治療法に一長一短があり、全てに優れているという方法もありません。
つまり、最も重要なことは、~という治療法ではなく、相談されている方のシミが、どのようなタイプのシミか的確に判断する、医師の診断能力なのです。シミの診断が確かなら、その診断に従って適切な治療を行えば、シミは改善していきます。逆に、いくら最新の機器であったとしても、その治療法がシミの種類に適合していなければ効果はありません。
結局の所、大事なのは、治療方法や治療機器ではなく、あくまで診断治療する医師次第ということです。新しい機器を導入しているということが悪いわけではありませんが、使う医師が、シミ治療に精通し、その機器の特性を理解し、使いこなさないと、百害あって一利なしということも起こりえるのです。
病院を選ぶときは、~という機器を持っているからではなく、この先生なら大丈夫、という選び方をお勧めします。
では、どの様にして、その医師を探せばよいでしょうか?こればかりは、実際に受診しないと判断が出来ないのですが、判断基準はあります。診察の際、自分のシミについて、自分のシミは、どのようなシミか尋ねてみましょう。そして、そのシミに対して、どの様な方法がよいのか尋ねてみましょう。
その問いに対して、キッチリと診断して、説明し、治療方針についてもキッチリと説明がある医師は、ある程度信頼できます。また、治療法の説明の際、合併症についての説明があることは重要です。合併症や欠点が無い治療法は、ありませんので、いいことばかり述べる医師は、注意が必要です。
次回、代表的なシミとその治療方針について述べていきたいと思います。