10-20代の眼瞼下垂症について

以前より、このブログでも説明しておりますが、瞼(まぶた)の挙がりが悪い状態を眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)と呼びます。睫毛(まつげ)のラインが下がって、黒目にかかる状態をこのように言います。

眼瞼下垂症を生じる原因は、代表的なものとして2つ挙げられます。

1)瞼を挙げる筋肉である眼瞼挙筋の力が弱い~先天性(生まれつき)
2)瞼を挙げる眼瞼挙筋がゆるんでいる場合~後天的(成人になってから起こるもの)

眼瞼下垂症の治療は、手術によって治療を行います。
一般に、成人の方に行う手術法は、眼瞼挙筋前転法と呼ばれる方法で、睫毛の上を切開して、眼瞼下垂症の原因になっている眼瞼挙筋のゆるみを修復する方法が行われています。この方法は、上記の2)の場合に適用されます。

最近、10-20代の眼瞼下垂症の方で、相談に来られる方も少なくありません。10-20代の方の場合、1)の生まれつき瞼を挙げる筋肉の働きが弱い方が多いのです。

それでは、1)の場合、どの様な方法が行われるのでしょうか。先天性の場合、吊り上げ法と呼ばれる方法が一般的です。吊り上げは、眉(前頭筋)と瞼とを糸や筋膜で結び、連結させ、眉を挙げることで瞼を開くという方法です。

吊り上げ法は、確かに眉の力で眼瞼挙筋の力が足らない分を補助し、瞼が開くようになります。しかしながら、一方で、閉瞼が困難になったり(まぶたが閉じられない)、あくまで眉の力で開くので、動きとしては不自然さが出てしまうといった欠点があります(静止した写真だけだったら問題ないですが)。
そのため、美容的な観点からは優れず、若い成人の方(あるいは成人に近い年齢の方)に、吊り上げ法を行うのは、余程の方でないと適用にならないと考えています。

個人的には、若い成人の場合、ある程度開瞼力がある方は、2)の場合と同様に、眼瞼挙筋前転法を試みる方が美容的な観点からはよいと考えています(ただし、瞼の開きの改善が不十分になる可能性を理解した上で)。

杉本 庸

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