どのようなスキンケア用品がお勧めか?(2)

 前回、洗顔剤や化粧水などについて記載しましたが、今回は、美容液や乳液などについて書きたいと思います。
 そもそも、美容液や乳液を使うのは何故でしょうか。漫然と美容液や乳液を使用していないでしょうか。
 スキンケアで大事なのは、何の目的で、何を使用するかです。その目的に合致した成分が配合された物を使用しないと、単にスキンケアを行ったからといって、きれいになる訳ではありません。
 一般にアンチエイジング目的でスキンケアをされている方は多いと思います。いわゆる美白、しわ、たるみ、等の改善です。また、肌トラブル~にきび、シミ など~で悩んでいる方は、それらの対策としてスキンケアを考えているでしょう。
それでは、それらの対策として、何が入っているものがよいのでしょうか。
 最近の美容皮膚科領域で注目されているアンチエイジング目的の成分として重要視されているのは、ビタミンA類です。

 ビタミンAは、皮膚の代謝(ターンオーバー)を促進するので、厚くなった角質をコンパクトにします。また、ターンオーバが促進されることにより、肌の色素を排出させる能力が上がりますので、シミの改善にもつながります(逆にシミの原因の一つが、皮膚のターンオーバー能力が下がることにあります)。他にも真皮層のコラーゲンを増やす作用がありますので、肌の弾力性が増すことにより、肌のハリの改善、シワの改善効果があります。また、皮脂の分泌を抑える作用がありますので、にきび肌の改善効果があり、実際、ニキビ治療にも使用されています。さらに抗酸化作用もありますので、紫外線の対策にもなります。
 これら様々な作用から、ビタミンA類は、アンチエイジングや美肌を求める方に理想的で重要な成分と考えられています。

 一方、ビタミンAにも欠点はあります。酸化が進みやすいので長期保存には向いていません。また、初期に肌の赤みやカサツキが出やすいので、少し注意が必要な成分になります。そのため、一般の市場で出回っている化粧品には、あまり配合されておらず、医療向けに作られたスキンケア用品(クリニックなどで使用されているスキンケア用品)に配合されていることが多いです。

 ビタミンAにも様々な種類があり、種類によって特徴も異なってきます。
 肌が弱い方、肌荒れが起こりやすい方、若い方などには、βカロテン(ベータカロテン)が向いています。ベータカロテンは、普段、体内で貯められ、必要な時にビタミンAとして作用する物で、比較的皮膚の反応は穏やかなので、あまりビタミンA類を使用した事がない方にはお勧めです。
 アンチエイジング目的の場合は、直接作用するレチノールがお勧めです。レチノールは、ベータカロテンと異なり、直接肌で作用しますので、より効果が高い成分です。ただし、濃度が高いとビタミンAの副作用である赤みやカサツキが起こりやすくなりますので、徐々に肌をならす必要があります。

 当院で取り扱っているスキンケア「らうたげ」には、ベータカロテンを含有した「守(まもる)」「育(はぐくむ)」やレチノールを配合した「治(おさめる)」などがあり、アンチエイジングの対策を行いたい方や肌トラブルに悩んでいる方には、お勧めのスキンケア用品になっています。

杉本 庸

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