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眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)の原因の中で、最も多いのが、眼瞼挙筋(きょきん)の機能は問題ないが、ゆるみを生じて筋肉の力が瞼にうまく働かないために起こるもので、腱膜性(けんまくせい)眼瞼下垂とも呼ばれています。加齢やコンタクトレンズの長期間の装用、アレルギーで瞼をよくこする、などによって生じる眼瞼下垂です。

今回、この腱膜性眼瞼下垂症に対して、一般的に行われている眼瞼下垂症手術 挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)について述べたいと思います。

腱膜性眼瞼下垂の場合、瞼を挙げる筋肉(眼瞼挙筋)と瞼板(けんばん:瞼の先端にある線維組織)との間にゆるみを生じていることが問題になりますので、このゆるみを直すことが重要になります。

手術治療

手術は、局所麻酔(部分麻酔)で外来手術(入院は不要)になります。体にかける負担は小さく、高齢の方も治療が可能です。
麻酔後、二重のライン上を切開します(二重でない方は、相談の上、切開位置を決めます)。皮膚のタルミがある方は、同時に皮膚の切除も行います。

眼瞼腱膜・挙筋を確認し、瞼板とのズレの修正・調節を行います。その際、座位で、瞼の挙がり方、形、左右差などを確認します。何度か調整し直すこともあります。問題が無ければ、その位置で挙筋腱膜と瞼板とを固定します。これにより瞼の開きがよくなります。
次に切開線で、皮膚・眼輪筋を腱膜と固定します。二重のラインを固定する(眼瞼下垂症の手術を行うと二重になります)事と、二重のラインがゆるむと皮膚のタルミが起こり、これによっても下垂を生じるからです。
最後に切開部の皮膚を縫合閉創して手術は終了です。

手術翌日より、洗顔・洗髪などは、普通に行えます(洗顔フォームなども使用可)。基本的に、激しいスポーツ、上瞼のメイクなどを除いて、日常生活上の制限はありません(手術日の飲酒、1週間程度の禁煙はお願いしております)。

 

手術によって生じること・問題点

1)腫れ・内出血

瞼は腫れやすく、また目の周りは皮下出血(内出血・紫斑形成)が起こりやすい部位です。おおよそ10日程度は、目立つと思った方がよいと思います。

2)瞼(目)の印象が変わる。

下垂の手術を行うと、瞼の開きがよくなります。そうなると、眠そうな印象から、パッチリした印象になります。また、手術後は二重になりますので、特に一重の方は印象が変わることになります。

3)瞼の開きの過不足、瞼の開きの左右差(それに伴う、二重の幅の左右差)

挙筋の固定した位置がズレたり、元々の筋肉の開く力が弱かったりして、手術後、瞼の開きが不十分である場合があります(開きすぎることは、まず起こりません)。

片側に不足が生じると、瞼の開きに左右差を生じます。二重の幅は瞼の開きによっても異なりますので、瞼の開きに左右差を生じると、二重の幅や形にも左右差が出ます。
このような場合、落ち着くのを待つことで、自然に改善することもありますが、改善しない場合、開きが不足している側に追加で手術を行う事があります。

筋肉自体の力が弱い場合は、別の手術方法(例えば吊り上げ術)を行ったりすることがあります。

4)ドライアイ

瞼の開きをよくすると、眼球の露出が増えます。その分、目が乾きやすくなり、いわゆるドライアイの症状が出る場合があります。目薬での対処となります。

 

整容面について

最近、芸能人の方が眼瞼下垂の手術をされて、変な目になったと一時話題になりました。芸能人の方が、どこで治療を受けられたのかは存じませんが、整容面を無視した治療を受けると、違和感を生じる目になります。

 

私自身は、以下のようなポイントに注意が必要と考えて、治療を行っています。

瞼の開きの程度

特に年配の方で、過度に挙げ過ぎないようにした方が、自然な印象になります。

瞼を開けたときの瞼の形

瞼を開いた時、瞼の形(睫毛のライン)が、自然なアーチを描くように、挙筋の固定位置を調節する必要があります。

二重の作成

眼瞼下垂の治療を行うと二重になりますが、二重の固定をしっかりしないと、二重のラインがくずれて、変な目になります。変な目になったと噂された芸能人の方もこれが一つの要因と思います。

適切な皮膚のタルミの処理(切除)

瞼の皮膚は睫毛の近くほど、薄くしなやかです。タルミがあるからといって、過度に切除したり、切除する位置が適切でなかったりすると、不自然な瞼になります。皮膚のタルミの取り方の不備で、整容的に問題になっている方もいます。

状態によりますが、タルミが強い場合、眉毛下の皮膚切除を組み合わせることで、自然な瞼になります。

 

眼瞼下垂の治療は、もちろん、まぶたが開くようになることですが、単にまぶたが開けばよいという治療ではなく、整容面にも配慮した治療が重要と考えて、治療を行っております。


徐々にですが、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)という名称も、市民権を得ているように感じます。当院でも診察時に、眼瞼下垂症について聞きたい、と尋ねてくる方が増えてきました。最近では、芸能人・著名人の方が治療を受けられて、知られるようになったことも一因かもしれません。

眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)は、その名が表しているように、眼瞼(=まぶた)が下垂している(下がっている)状態を表します。真っ直ぐ正面を見た時に、瞼が下がってきて、まつ毛のラインが、瞳孔(どうこう)(黒目の部分)に、かかるような状態が、典型的な眼瞼下垂症の状態です。

このように、明らかにまぶたが下がって見える状態は、誰が見ても分かりやすいのですが、一見、眼瞼下垂症ではないように見えて、実は、眼瞼下垂症の状態である方もおられます(いわば、隠れ眼瞼下垂症の状態)。なぜ、このようなことが起こるかというと、人は、まぶたが下がってくると、見づらくなるので、自然に眉(まゆ)を挙げて、瞼の開きを補助します。その眉を挙げることにより、一見、まぶたが開いているように見えるので、眼瞼下垂症であるにも関わらず、まぶたが下がって見えないという方が、少なからずおられるのです。

(眼瞼下垂症の症状)
 眼瞼下垂の症状は様々です。目が小さくなった、視野が狭くなった、つかれ目、瞼が重く感じたり、開けているのがつらくなったり、肩こりや頭痛などを訴える方もおられます。額にシワがよる、と相談を受けて、眉(まゆ)挙げていることに気付き、眼瞼下垂であることが分かる方もおられます。

(原因~なぜ下垂を生じるのか)
 まぶたは、眼瞼挙筋・ミュラー筋と呼ばれる、まぶたを挙げる(開ける)筋肉と、まぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)との連動で、開け閉めを行います。これらが何らかの原因でうまく機能できなくなり、下垂を生じます。

眼瞼の下垂を生じる原因は、単純化すると主に以下の3つに分類されます。

1)眼瞼挙筋(瞼を挙げる・開ける筋肉)の機能自体に問題がある場合
2)眼瞼挙筋(瞼を挙げる・開ける筋肉)の機能は問題ないが、ゆるみを生じて筋肉の力が瞼にうまく働かない場合
3)瞼(まぶた)を閉じる筋肉の機能に問題がある場合

1)は、生まれつき、筋肉の働きが弱い場合があり、そのような場合、先天性眼瞼下垂と呼ぶこともあります。生まれつき以外、怪我や神経・筋肉の病気などによって起こる場合もあります。

2)は、腱膜性眼瞼下垂と言われることが多く、成人の方が眼瞼下垂症と言われる場合は、ほとんどがこれになります。瞼を挙げる筋肉・腱膜がゆるみ、場合により皮膚のタルミも合わさって、瞼が挙がりにくくなります。このような状態を起こす要因は様々で、コンタクトレンズの長期間使用、目をよくこすったり引っ張ったりするクセがある、などがよく言われていますが、実際には、加齢変化と思われる方が多いように思います。

3)は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)と呼ばれるもので、瞼を開ける(挙げる)機能に問題があるのではなく、閉じる方に問題があるために、瞼を開けるのが困難になる疾患です。瞼を開けづらくなるので、一見、眼瞼下垂症と間違えやすいのですが、起こる原因は、全く別のため、眼瞼下垂症とは、別の治療が必要になります。

次回は、眼瞼下垂症の治療について述べたいと思います。


(3)肝斑(かんぱん)

(特徴)

比較的均一で色むらが少なく、境界も明らかな事が多いシミです。典型的には、両頬にありますが、片側のこともありますし、必ずしも頬のみではありません。色調は、茶色~焦げ茶ですが、色の濃さは、非常に薄いものから濃いものまで様々です。また、同時に末梢血管の拡張もよく見られます。

(治療法)

原則的に、内服と外用治療が主になります。最近では、レーザー治療(レーザートーニング)も広くされていますが、レーザー治療単独では、あまり効果が期待出来ません。また、肝斑に対するレーザー治療に対して批判的な意見を持つ医師もおり、医師の間でも意見が分かれています。
肝斑は、残念ながら、まだ、完全に治療法が確立しておりません。そのような現状の中、ある意味、最も重要なのがスキンケアになります(以下を参照ください)。

1)スキンケア

 肝斑を悪化させる最も大きな要因としては、肌をこすることが挙げられます。いかに肌をこすらないようにするかが、非常に重要になります。
洗顔時、メイク時、メイクを落とす時など、肌をこすりやすい状況というのは日常的にあり、気をつけないと、すぐに肌をこすり、それが肝斑の原因になります。
洗顔の際、洗顔剤でゴシゴシせずに肌になじませるように置き、十分にすすぐことです(もちろん、ゴシゴシは厳禁)。
 メイク時も、パフなどで、こするように付けるのは、絶対に止めましょう。イメージとしては、軽く押さえてなじませるようにメイクすることだと思います。
メイクを落とす時も、もちろん気をつける必要があります。拭き取りタイプは、手軽ですが、肌をこすることにつながるので、お勧めできないです。

 普段使用するスキンケア用品としては、レチノールが配合されたもの(オバジのZO製品やエンビロンのスキンケア用品など)やビタミンCのローションなどがお勧めです。

2)内服治療(飲み薬の治療)ビタミンC,E,トラネキサム酸

 内服治療としては、ビタミンC, E, トラネキサム酸が使用され、肝斑治療の中で最も推奨されます。ただし、これだけでは不十分なケースも多く、他の治療を併用する必要があります。

3)外用治療(塗り薬の治療)

 外用は、日光性黒子(老人性色素斑)の項でも記載しておりますので、そちらの方もご参照頂ければと思います。

(Ⅰ)トレチノイン・ハイドロキノン療法(又は、オバジのZOスキンプログラム)
 この治療の利点は、トレチノインの作用により、肌の弾力性が増すため、シミの改善のみでなく、肌のキメやしわの改善も同時に行うことができるため、アンチエイジングの対策にもなります。
 欠点は、塗ると肌の赤みやカサツキが強く起こり、少なくとも2ヵ月程度は行う必要があるため、人知れず行うということが無理なので、行うことが出来る人を選ぶ治療であることです。
(Ⅱ)ハイドロキノン、ビタミンC、トラネキサム酸など
 ハイドロキノンの外用は、肝斑の場合、それ程効果が高くなく、他の治療と併用する必要があります。
 ビタミンCやトラネキサム酸の外用は、ハイドロキノンに比べると、効果は落ちるため、ハイドロキノンが使用できない方(かぶれなど)に用いたり、日常のスキンケア(悪化防止)として使用したりします。
(Ⅲ)超音波・イオン導入
 ビタミンAは肌の代謝を上げ、ビタミンCには、メラニンを抑える効果がありますので、エンビロンフェイシャルトリートメントのようなビタミンA・C超音波・イオン導入を定期的に行うのも有効だと思います。

4)レーザー関連

(Ⅰ)レーザートーニング
 肌から一定の距離をおいてQスイッチレーザー(あるいは、ピコレーザー)を弱く照射する方法です。
 肝斑に効果があると、一気に広まった方法ですが、全ての方に効果があるわけではなく、逆に悪化する例も報告されており、限定的な効果と考えられます。レーザー治療単独では効果が期待出来ず、外用治療や内服治療の補助として行うべきと考えます。
(Ⅱ)光治療器/IPL(ライムライト、フォトフェイシャルなど)
光治療器は、肝斑に対しては、効果があまり期待出来ないので、肝斑に対する単独治療はお勧めできないです。他のシミ(例えば日光性黒子)と肝斑が混在している場合、肝斑以外のシミ治療目的で行う場合はあります。

 レーザー治療や光治療は、行う術者によって、効果やトラブルの頻度が異なります。よく、最新のレーザー機器を使用していると宣伝しているクリニックもありますが、特に肝斑のある方は、レーザー関連はトラブルを生じやすく、どの機器で治療するか、が重要ではなく、誰に治療をしてもらうか、が重要ですスタッフ任せで、診察もせず、治療もスタッフが行うクリニックもあるようですが、そのようなクリニックは絶対に避けた方がよいと思います。


前回、シミには様々な種類があり、治療法も様々ある旨を述べました。今回、代表的なシミとその治療法について述べたいと思います。尚、シミの治療法については、あくまで、記載をしている時点での私見であり、今後、変わっていく可能性もあります。

(1)日光性黒子(老人性色素斑)

(特徴)
 最も多く見られるシミで、基本的には、平坦、大きさは様々です。色調も濃淡も様々で、茶~黒、境界は比較的明瞭なことが多いですが、色調によっては分かりにくいこともあります。

(治療法)
 大きく、レーザー治療(光治療)と外用治療に分けられます。どちらも一長一短がありますが、一般には治療期間が短くてすむことからレーザー治療を行うことが多いです。

1)レーザー類

(Ⅰ)Qスイッチレーザー(ルビー、アレキサンドライト、ヤグ)

Qスイッチレーザーは、N(ナノ)秒という非常に短い時間内に照射するレーザーで、皮膚へのダメージが少なくてすむという特徴があるため、シミの治療によく用いられています。

レーザー照射後、照射部位は、痂皮化(薄いカサブタ)を生じ、2~3週間程度で落ちるというのが一般的な流れになります。合併症として色素沈着(シミ)を起こすことがあり、色素沈着を起こすと治療期間が長くなります。その予防のため、痂皮が落ちる間、軟膏を塗ったり、絆創膏でカバーしたりする必要があり、仕事をしている方や人前によく出る方、広範囲にシミがある方、などは治療が受けにくいという欠点があります。

(Ⅱ)光治療器/IPL(ライムライト、フォトフェイシャルなど)

光治療器は、Qスイッチレーザーほど、反応が起こらず、塗り薬や絆創膏などを貼らずにすむため、治療が受けやすいという利点があります。また、繰り返し治療を行うと、シミの改善だけでなく、肌のハリ、キメの改善、肌の赤みの改善など、様々な美肌効果が得られる利点もあります。

一方、反応が穏やかなため、1回ではシミが落ちきらず、繰り返しの治療が必要であったり、レーザーに比べ深達性が低いため、繰り返してもシミが落ちなかったりする場合があり、ある程度、適応は限られます。

ソバカスの場合は、レーザー治療を行った後、再発性が高く、また、広範囲なので、レーザー治療より手軽に出来るため、レーザーより光治療器の方を優先して行ってもよいと思います。

(Ⅲ)ピコレーザー

Qスイッチに比べてパルス幅(レーザー照射時間)をピコ秒にまで縮めたレーザーです。最新のレーザーということで、最近は、広告をよく目にしますが、今のところ、シミを落とす力は、Qスイッチレーザーと同程度(レーザーの深達性からやや劣るのではという意見もあります)と考えられています。今のところ、シミに対するレーザー治療の場合は、特にピコレーザーである必要はなく、Qスイッチレーザーで十分(あるいはQスイッチの方がシミを落とす力は強い)と考えられています。

正直、ピコレーザーをやたら宣伝している例を見ますが、怪しいものも多く、原理を考えても魔法ではなく、Qスイッチレーザーと比べて、シミに対しては効果に大きな差が無いと思われます。

2)外用治療(塗り薬の治療)

(Ⅰ)トレチノイン・ハイドロキノン療法(又は、オバジのZOスキンプログラム)

トレチノイン(ビタミンA類似体)には、肌のターンオーバーの亢進作用があり、それによってシミ(メラニン色素)の肌からの排出を促します。一方、ハイドロキノンは、メラニン細胞において、メラニン色素の生成を抑制します(つまり、シミを作らなくする)。これら2つの塗り薬を塗ることにより、シミの改善を行います。

この治療の利点は、トレチノインの作用により、肌の弾力性が増すため、シミの改善のみでなく、肌のキメやしわの改善も同時に行うことができるため、ZOスキンのように広範囲に行うと、アンチエイジングの対策にもなるということが挙げられます。

欠点は、塗ると肌の赤みやカサツキが強く起こり、また、少なくとも2ヵ月程度は行う必要があるため、人知れず行うということが無理なので、行うことが出来る人を選ぶ治療であることです。

(Ⅱ)ハイドロキノン、ビタミンC、トラネキサム酸など

塗り薬の中では、最も効果が優れており、安定的なことから、上記のハイドロキノンの外用がよく使われています。ただし、日光黒子に対して、単独で使用した場合、期待されるほどの効果は得られず、半年程度塗って、少し薄くなったかな?程度です。そのため、どちらかというと、他の治療との併用療法や後治療として使用することの方が多いです。

ビタミンCやトラネキサム酸の外用は、ハイドロキノンに比べると、効果は落ちるため、シミの治療というより、ハイドロキノンが使用できない方(かぶれなど)に用いたり、日常のスキンケア(悪化防止)として使用したりすることの方が多いと思います。

3)内服治療(飲み薬の治療)ビタミンC,E,トラネキサム酸

シミの内服治療としては、ビタミンC, E, トラネキサム酸の内服がよく使用されますが、老人斑に対する効果はそれ程高くなく、治療としての優先度は落ちると考えて差し支えないと思います。

個人的には、老人斑に対してならば、内服より外用を優先した方がよいと考えます。

(2)雀卵斑/そばかす

(特徴)
 幼少期頃より両頬に生じるシミで、一般に、小さく、多発して起こります。色調は茶色が主ですが、年齢と共に濃く、こげ茶色になります。基本的に遺伝(常染色体優性遺伝)となります。

(治療)
 日光性黒子に準じた治療になります。

1)レーザー類

レーザー類に対する反応は、一般によいのですが、再発性が高いところが、日光性黒子との違いになります。広範囲に及ぶこともあるため、ダウンタイムを考えると、レーザー治療がやや受けにくくなりますので、どちらかというと、光治療の方がお勧めしやすいです。ただし、ソバカスでも、日光性黒子と混ざっていたり、時間経過で日光性黒子様になっていたりする例では、光治療器では反応が乏しい場合もあり、Qスイッチレーザーが必要になることもあります。

2)外用治療

上記のトレチノイン・ハイドロキノン治療では改善が見られますが、ハイドロキノン単独では、それ程、効果は期待出来ないです。

3)内服治療

日光性黒子と同様で、内服薬のみの治療では、効果があまり期待出来ないです。


今回は、シミ治療について述べたいと思います。

当院で多い相談内容は、アンチエイジングに関わるものですが、その中で最も多いのが、シミについてです。

実際、シミがあるのか、ないのか、だけでも人の印象はずいぶん変わります。若い方でも、シミがあると老けて見えますし、逆にシミがないと若い印象になります。ですから、何を差し置いてもシミが最も気になる、まず相談したい、となるのは、ある意味当たり前のことかもしれません。

さて、シミの相談の際、「何が一番よい治療ですか?」「~という新しい治療がよいと聞いたのですが」と尋ねられることがあります。

そのような時、答えに困ってしまいます。「絶対的によい方法というのは未だ存在しない」からです。

この方法・機器で全てのシミは解決します、という方法があるなら、簡単で楽です。日本全国どこの病院も、その方法を導入して、世の中から全てのシミはなくなるはずです。でも、現実には、そのようなことはありませんし、様々な治療法が、今でも行われています。

それは、「シミ」と一言で言っても、実は、様々な種類があり、その種類によって、治療方法を変える必要があるからで、全てに通用するシミの治療法というのは、無いのです。また、それぞれの治療法に一長一短があり、全てに優れているという方法もありません。

つまり、最も重要なことは、~という治療法ではなく、相談されている方のシミが、どのようなタイプのシミか的確に判断する、医師の診断能力なのです。シミの診断が確かなら、その診断に従って適切な治療を行えば、シミは改善していきます。逆に、いくら最新の機器であったとしても、その治療法がシミの種類に適合していなければ効果はありません。

結局の所、大事なのは、治療方法や治療機器ではなく、あくまで診断治療する医師次第ということです。新しい機器を導入しているということが悪いわけではありませんが、使う医師が、シミ治療に精通し、その機器の特性を理解し、使いこなさないと、百害あって一利なしということも起こりえるのです。

病院を選ぶときは、~という機器を持っているからではなく、この先生なら大丈夫、という選び方をお勧めします。

では、どの様にして、その医師を探せばよいでしょうか?こればかりは、実際に受診しないと判断が出来ないのですが、判断基準はあります。診察の際、自分のシミについて、自分のシミは、どのようなシミか尋ねてみましょう。そして、そのシミに対して、どの様な方法がよいのか尋ねてみましょう。

その問いに対して、キッチリと診断して、説明し、治療方針についてもキッチリと説明がある医師は、ある程度信頼できます。また、治療法の説明の際、合併症についての説明があることは重要です。合併症や欠点が無い治療法は、ありませんので、いいことばかり述べる医師は、注意が必要です。

次回、代表的なシミとその治療方針について述べていきたいと思います。


美容外科では、日本で未認可の治療機器、薬剤が多く使用されています。

保険診療では、原則、日本で認可された治療機器、薬剤などが使用されています。日本の審査は、厳しく、機器や薬品の効果・合併症などはもちろん、安定して製造、供給できるかなども調べられます。そのため、認可されているものは、世界でもトップクラスに安全性などが確保されていると考えられます。日本は、この保険制度が整った医療になれているため、病院で使用している機器や薬品は安全だと思いがちです。

美容の世界はどうでしょうか。美容(=自費)の診療については、国は、関与しないことになっており、医師の裁量権にゆだねられている訳です。つまり、医師個人が、必要であれば、自由に薬剤や機器を選択してもよい(=国内で未認可の薬剤や機器を使用してもよい)となっています。これは、治療の選択肢を増やすという点においては、非常にいい面もあります。特に美容では、どうしても認可されている薬剤や機器類は制約が多く、行いたい治療を行うには、未認可の薬剤や機器を使用したい、ということが多々あるからです。

一方、問題もあります。治療を行う医師が勉強・経験不足であったり、倫理的に問題があったりする場合は、どうでしょうか。たった一人の医師が、勝手に、使用する薬剤や機器を選んでいる訳ですから、その選択した薬剤や機器の安全性や効果などについては、その医師以外、誰も保障してくれる訳ではありません。実際、美容外科医の間で問題視されている治療法や薬剤、機器を使用して治療を行っている医師も決して少なくありません(派手に広告している例もあります)。
美容外科や美容皮膚科では、未認可の薬剤や機器類が多く使用されているということを十分認識しておく必要があります。病院で治療を行っているから安全なものとは言えず、あくまで治療を行っている医師次第なのです。


美容外科のトレーニングなしに、「美容外科」と名乗って診療することが可能であることを述べましたが、それでは、トレーニングを受けた医師をどの様に探せばよいのでしょうか?

以下の点を理解しておくと失敗が少ないと思います。

1)現在、日本では、美容外科を教育するシステムは確立していない

 あまり知られていませんが、現在の日本では、美容外科学会を始め、大学病院など公的な機関では、美容外科の研修をほとんど行っておりません。まだ、美容外科を公的に学ぶ方法というのはないのです。つまり、「~美容クリニック」で勤務した、学んだというのは、極論を言うと、あまり意味が無いことなのです。そのクリニックで、何を修得したのか不明ですし、何か資格を取っている訳ではありませんので。

2)医師の経歴をチェック(形成外科専門医であるかどうか)

 それでは、まともな美容外科医は、どのようにして美容外科を学んでいるのでしょうか。ホームページで医師の経歴をチェックしておきましょう。その際、注意が必要なのは、「どこで美容の基礎を学んだか?」です。その答えになるのが「形成外科」です。

形成外科」という科が、どのような科であるかを説明するのは難しいのですが、簡単に述べると、怪我や癌などで、外見や体の機能を失った時、いかに元に修復するか(再建するか)という科です。この外見を修復するということから、いかに外見を綺麗にするか、と発展し、それが美容外科の基礎になっています。実際、諸外国では、形成外科=美容外科というイメージがあり、海外の美容外科医は、形成外科を修めているのが当たり前です。

 このように美容の基礎が形成外科にあるため、日本でも、まともな美容外科医は、皆、形成外科を学んでいます。まず、形成外科の教室(主として大学)に所属し、形成外科の知識・技術を習得し(並行して美容外科を学ぶ医師もいます)、形成外科の専門医を修得する。その後、美容外科医として、さらに経験を積む、というのが、正統な美容外科医です。ちなみに、形成外科専門医は、国(専門医機構)が認定を行っており、厳しい研修内容が課せられています。ですから、経歴を見て、形成外科の研修を行い、形成外科専門医である旨が書かれてある場合、少なくとも美容の基礎を学んでいる証明になるのです。

 逆に、形成外科以外の「科」から、すぐに美容外科を行うというのは、無理があるように思います。もし、そのような経歴なら、要注意です。テレビドラマのようなスーパードクターなんて、そうそういないのですから。

3)合併症の話をしない医師、カウンセリング直後に治療を受けさせようとする病院は避ける。

 どの様な簡単な治療であっても、合併症がない治療はありません。合併症の話をしない医師は要注意です。合併症を分かっていて話をしないということは、不都合なことを隠して治療を受けさせようとする事になりますし、分かっていないということは知識・経験が不足していることになります。いずれにしましても信頼できない医師であることに間違いありません。

 初診のカウンセリング直後に、治療を受けさせようとするクリニックも要注意です。もちろん、患者さん自身が望めば、直後に治療を行うこともありますが、治療を即決するように迫るクリニックは、絶対に避けた方がいいと思います(「今、治療を決めたら、(治療費が)安くなります」と勧誘するクリニックもあるようです)。そのような場合、とにかく一旦、治療は拒否して、帰宅してから治療について考えましょう。

4)説明を行った医師が実際に治療を行うのか、その後の経過を誰が診るのかチェックする。

 クリニックによっては、説明する人、治療を行う人、その後を見る人がバラバラということがあります。ひどいところになると、診察もせずに、医師以外のスタッフ任せ、というところもあります。そのようなところで、よい治療を受けることが、はたして可能でしょうか。例えレーザー類でも、診察もせずに完全にスタッフ任せのようなクリニックでは、よい結果が得られないでしょう。そのようなクリニックは避けた方がよいでしょう。

 あくまで、治療を行うのは医師個人で、結果は、医師個人の経験や知識によって左右されます。クリニックの規模や見かけなどは関係ありません。


ブログを始めると言いながら、長い間、書き込みをしておりませんでした。心機一転、美容外科に関する話題を中心にブログを更新していきます。

知られざる美容外科の世界
 美容外科は、医療界にとっても特殊な分野です。一般に知られていないことも多々あります。しばらく、美容外科の現状、問題点などついて私見を含めて述べたいと思います。

(1)美容外科の標榜(ひょうぼう)について

病院に行くと、「内科」「外科」「整形外科」などと表示されています。これら「~科」の表示を標榜(ひょうぼう)と呼びます。この標榜する「科」の名称は、ある程度、国から決められています。そのため、全国どこの病院に行っても、同じ標榜名(~科)が使われている訳です。

よくメディアで「美容整形」という名称が使用されていますが、これは誤りで、標榜名では使用できない事になっております。そのため、全国どこを探しても、「美容整形(外)科」という名前のクリニックはありません。正式な名称は、「美容外科」となりますので、どのクリニックも正式な名称である「美容外科」という標榜名を使用しています。

この「美容外科」の標榜名ですが、これが「くせ者」なのです。例えば「美容外科」と表示があるクリニックを見た場合、当然、美容外科のトレーニングを受けて、専門医が治療を行っていると思われがちです。しかし、これは誤解で、日本では医師の資格さえあれば、自由に「美容外科」と名乗って診療することが出来ます。実際、特に美容とは関連しない「科」(例えば、麻酔科や内科など)の医師が、突然、「美容外科」を標榜し、診療している例があります。そのため、美容外科では、残念ながら、美容外科の勉強不足や経験不足の医師がトラブルを起こしやすいという土壌がありますし、「美容外科」という「看板」を信用して受診すると、とんでもない、ということになる訳です。